若旦那様の溺愛は、焦れったくて、時々激しい~お見合いから始まる独占契約~
すぐに到着した電車に乗り、私は泣きたくなるのを我慢しながら唇を噛み締めて、スマホを手に取った。
彼からメッセージは届いてない。
今どの辺りにいるのか、誰といるのか、色々聞きたいことはあるけれど、それは帰宅後、彼と顔を合わせてからにしようと決めて、「今から帰宅します」とだけ蓮さんにメッセージを送る。
ひと駅通過したところで既読がついて、そわそわしながら待つが、なかなか返事は来なかった。
どのような状況かだけでも教えてくれたら良いのにと膨れつつ、心に湧き上がってきたもやもやを払拭できないままに、電車はあっという間に自宅の最寄り駅へ到着する。
もしかしたらもう帰っているだろうかと期待しながら玄関のドアを開けるが、家の中は真っ暗でガッカリする。
リビングの明かりをつけて、いつもより肌寒く感じるそこにぽつんと立ち尽くしていると、バッグの中のスマホが小さく鳴り響いた。
きっと蓮さんからだと慌ててスマホを取り出し、動きを止める。
確かに私にメッセージを送ってきたのは蓮さんだったが、肝心の内容に盛り上がりかけていた気持ちが一気に萎れていった。
「俺はまだ帰れそうにない」