若旦那様の溺愛は、焦れったくて、時々激しい~お見合いから始まる独占契約~

普段はクールなのにバスケをしている時は熱くて、部長を務めるほど上手かった。

話に聞けば勉強もできるらしく、容姿端麗で文武両道の蓮さんへの憧れはどんどん膨らんでいった。

しかし、最初の頃は勇気が出ずになかなか話しかけることができなかった。

一歳という年齢差は私には大きくて、なおかつ蓮さん本人を目の前にするととても緊張してしまい、挨拶や部活動関連の連絡など必要最低限のやりとりが精一杯だった。

それに話しかけづらいと思う理由は他にもあった。

二年の先輩マネージャーのひとりが渡瀬先輩で、一年マネージャーが男子部員と雑談しているのを見かけると、さぼっていると小言を言って仕事を言い渡してきたのだ。

怖い先輩といった印象は、その頃私の中に強く植え付けられた。

共に入部した一年マネージャーふたりが、自分は男子部員と話しばかりしているくせにと渡瀬先輩への不満を口にするようになると、他の先輩マネージャーが「渡瀬さんは八津代君が好きで、彼と話をする女子が面白くないだけだから」とこっそり宥めた。

渡瀬先輩の言動を見ていて私もなんとなくそう感じていた。

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