若旦那様の溺愛は、焦れったくて、時々激しい~お見合いから始まる独占契約~
最後に飛び出した言葉に目を大きくする。
私をそんな風に言ってくれているのかと徐々に頬が熱くなっていく。
気恥ずかしくなって目を泳がせると、蓮さんが小さく笑った。
「照れんなよ。言ってるのは年寄りだぞ」
「照れますし、素直に嬉しいです」
思わず反論し、ついでに正直な気持ちも添える。
誰からだって、褒められたら嬉しいから。
「そう言えば、今週末泊まりに行くみたいだから、嫌じゃなければ相手してやって」
「はい! 心よりお待ちしておりますと、お伝えください」
もちろんと何度か大きく頷いてから、私は丁寧に腰を折って蓮さんへと頭を下げる。
蓮さんはじっと私を見つめた後、口元に柔らかな笑みを浮かべて小さく頷き、部室を出ていった。
その日、家に帰って「八津代」という名前を出せば、お祖父さんはもちろん両親もすぐに誰のことを言っているのか分かったようだった。
お母さんには「お孫さん、お祖父さんに似てとっても格好いいんですってね?」と逆に質問されたくらいだ。
そして迎えた週末、祖父から「この方が八津代さんだよ」と紹介された夫妻は、私も知っている常連客だった。