若旦那様の溺愛は、焦れったくて、時々激しい~お見合いから始まる独占契約~

むしろ子供の頃から何度も話をしていて、笑顔の素敵な優しい人たちという印象を持っていた。

そんな人たちが蓮さんの祖父母だったなんてと胸が熱くなった。

週明け、部活動が始まる前に、私は蓮さんに顔見知りでしたと報告する。

子供の頃から何度も話をしたことがあってと説明するうちに、なんと蓮さん自身も昔旅館に宿泊したことがあると言い出し、蓮さんと仲がいい二年バスケ部員の溝田先輩も一緒に話は大いに盛り上がった。

そこから、私は蓮さんとよく話をするようになったのだけれど、同時に渡瀬先輩からの風当たりも強くなっていった。

渡瀬先輩の言い方がキツくて萎縮してしまうことも多かったが、それでも、蓮さんと話すのは楽しくて、控えようとは思わなかった。

クタクタになりつつ部活を終えて、学校を出るべく歩いていると、正門の手前で後ろから「お疲れ」と声をかけられた。

その声音にどきっとしつつ、足を止めて振り返る。

自転車に乗り近づいてきた蓮さんに、はにかみながら「お疲れ様でした」と頭を下げた。

そのまま見送るつもりだったけれど、彼は通り過ぎず、私のすぐそばで自転車を降りた。

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