若旦那様の溺愛は、焦れったくて、時々激しい~お見合いから始まる独占契約~

本日は和菓子や洋菓子の専門店が集まった展示会があり、そこにヤツシロも出店しているため、社長の代わりに蓮さんが顔出しをすることになった。

業種や規模こそ違えど、多種多様な企業が参加していて、多くのバイヤーが新規獲得や商談目的で訪れる。

同業種の和菓子店にも上役の人々が来ているはずで、副社長就任が目前に迫ってきている蓮さんが挨拶周りをする予定にもなっているのだ。

婚約者として彼に付き添うのが、今日の私の使命。

蓮さんの足を引っ張ることだけはないように、笑みを絶やさず愛想良く、決して気は緩めずに、乗り切らなくてはならない。

品が良く見えるように白のワンピーススーツに身を包み、髪も清潔感が出るようにしっかりと結い上げてもらっている。

緊張を逃すように息をつくと、蓮さんが苦笑いした。


「大丈夫、俺が里咲のそばにいる」


格好いいセリフを顔色変えずにさらりと言った蓮さんは、高級海外ブランドのオーダースーツを綺麗に着こなしている。

本当に絵になる人だなと思わず見惚れるのも、本日何度目だろうか。

蓮さんの腕をちょこっと掴みつつ、駐車場から会場のある建物の中へ移動する。

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