君の知らない恋の話
ある日家に届いたのは、一枚の綺麗な招待状。結婚式の招待状だった。そして、その名前を見た時、胸がギュッと熱くなる。

「白馬和子(はくばわこ)……」

もう違う苗字に変わってしまう彼女の名前を、私はゆっくりと撫でた。



和子と初めて出会った日のこと、過ごした時間、ずっとずっと覚えている。それを思い出すたびに、甘酸っぱくて、胸がキュンと高鳴るんだ。どうしてなのかはわからないけど……。

中学受験をし、私、吉田美帆(よしだみほ)は都内の有名な中高一貫の学校へ入学することになった。有名大学への進学率が都内一の学校だ。今日は入学式の日。

薄いピンクのリボンが可愛い制服を着て、学校へ向かう。中学生になって勉強は難しくなるだろう。でも、この学校に通えるように頑張ったんだ。これからも努力を続けて、いい大学へ進学しないとね。

立派な校門を通ると、たくさんの生徒が入学式に参加するため受付をしている。多くの生徒が親と楽しそうに話し、学校生活に期待を膨らませている。
< 1 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop