気づけば君が近くにいてくれた


でも、もし行けるとしたら……


そう考えた時に頭に浮かんだのは、あの2人。


香純ちゃんと藤波くんだった。


もし仮に、私が香純ちゃんと藤波くんのことをを誘ったら、2人は一緒に来てくれるだろうか?


いや、こんな引きこもりの私だもん。


一緒にいてつまらないかもしれないし……


そもそも私とご飯になんて行きたいと思わないかもしれない。


迷惑に思うかもしれない。


考えれば考えるほど、負の感情が溢れ出してくる。


もう考えるのやめよう。


コラボカフェに行くのは無理だから、諦めよう。



「実桜ちゃん?どうかしたの?」


「え?」


「さっきから手が止まっているから……何か嫌なこととかあった?」



ふと我に返ると、心配そうに私の顔を覗き込む香純ちゃんの姿があった。


なんで香純ちゃんがここに……もしかして考えすぎて夢でも見てた?



「実桜ちゃーん?」



香純ちゃんが私の名前を呼んで、ひらひらと目の前で手を振っている。


いや違う。


今は香純ちゃんと藤波くんが家に来て勉強会の真っ最中だ。




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