廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
「ユーディリア様、ほら、エスカーダ公の婚約者ですわよ!フェルナンシアの王女の……」

「知っているわよっ!あなた、私がバカだとでも思っているの!?」

「と、とんでもないっ!申し訳ございませんっ!」

目の前で突然激昂しだすユーディリアに、取り巻きの令嬢たちは震え上がった。
これは、おばあ様に負けたことをだいぶ根に持っているわね。
ダリオンの婚約者に収まった私に対する恨みも、多少なりともあるのかも……。

「ルキア・フェルナンシア……敗戦国の小娘が、誇り高きレグナントの大英雄の婚約者に収まるなんて……上手くやったものね」

……多少なんてもんじゃなかった……めちゃくちゃ恨み満載じゃないですか!?
ユーディリアは恐ろしい表情でジリジリと詰め寄ってくる。
階段下にいた私は、それを迎え撃つべく密かに戦闘態勢を整えた。
こんな場面は前世でも良くあった光景だ。
華やかなショービジネスの世界の裏側は、妬み、恨みのフルコース。
もうそんなのは十分だったから、フェルナンシアでは大人しくしていた。
だけど、この社交界で華麗に戦うおばあ様を見て、私の中の何かが目を覚ましたのである。
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