廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
『王子と赤い髪の巫女』は、とても悲しいお芝居だった。
悲恋というからには、ある程度覚悟はしていた。
だけど、ヒーローとヒロインがお互い思い合いながらも、運命に翻弄され、二度と会えなくなってしまうなんて……辛すぎる。
創作であるのに、役者たちの演技もさることながら、音楽や効果音も絶妙で、人の心の奥深くまで染み入る名作だった。
「あんまりですよね。こんなの可哀想すぎます」
胸を詰まらせながら言うと、隣のおばあ様とセドリックから鼻を啜る音が聞こえた。
「……同感よ。何もかもが遅かったなんて……悲劇だわ」
「本当ですね……恥ずかしながら僕は涙腺が崩壊しました」
おばあ様とセドリックは、ハンカチを握りしめ手を取り合って泣いた。
私も幾度か涙腺のダムが決壊しかけたけれど、ダリオンに嫌われたくない一心で耐えた。
彼がいなければ、脱水状態になるまで泣いたかもしれない。
「戦の最中には良くある話だ。泣くほどでもない」
ダリオンはいつもと同じ無表情で、感動冷めやらぬ私たちを眺め言った。
「いやだわ、この子、感受性が死んでるわ」
「感受性は戦に必要ないので、死んでいても構いません」
ダリオンとおばあ様の間で、試合開始のゴングが鳴った。
もう!せっかく余韻に浸っていたのに、こんなところでバトルしないで。
仕方なく仲裁に入ろうとした時、特別室の扉を誰かが叩いた。
悲恋というからには、ある程度覚悟はしていた。
だけど、ヒーローとヒロインがお互い思い合いながらも、運命に翻弄され、二度と会えなくなってしまうなんて……辛すぎる。
創作であるのに、役者たちの演技もさることながら、音楽や効果音も絶妙で、人の心の奥深くまで染み入る名作だった。
「あんまりですよね。こんなの可哀想すぎます」
胸を詰まらせながら言うと、隣のおばあ様とセドリックから鼻を啜る音が聞こえた。
「……同感よ。何もかもが遅かったなんて……悲劇だわ」
「本当ですね……恥ずかしながら僕は涙腺が崩壊しました」
おばあ様とセドリックは、ハンカチを握りしめ手を取り合って泣いた。
私も幾度か涙腺のダムが決壊しかけたけれど、ダリオンに嫌われたくない一心で耐えた。
彼がいなければ、脱水状態になるまで泣いたかもしれない。
「戦の最中には良くある話だ。泣くほどでもない」
ダリオンはいつもと同じ無表情で、感動冷めやらぬ私たちを眺め言った。
「いやだわ、この子、感受性が死んでるわ」
「感受性は戦に必要ないので、死んでいても構いません」
ダリオンとおばあ様の間で、試合開始のゴングが鳴った。
もう!せっかく余韻に浸っていたのに、こんなところでバトルしないで。
仕方なく仲裁に入ろうとした時、特別室の扉を誰かが叩いた。