廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
3、メイドと執事と女主人
「ルキア様!今日はこれをお召しくださいませ!」
ーーエスカーダ公爵邸滞在、三日目。
爽やかに目覚めた私に、笑顔のミレイユが差し出したのは、レースがふんだんにあしらわれた薄桃色のドレスである。
「あ、うん……」
私は苦笑いしながら、言われるまま、ドレスに腕を通す。
と、言うのも、ここに来てから一日に何度も着替えさせられ、その度に違うドレスが出てくるのを体験していたからだ。
ミレイユはもともと王都一の洋裁店の娘で、社交界の華、カトレア様に憧れてエスカーダ家のメイドに志願したのだという。
どんな生地からもあっという間にドレスを仕立てる天才……と自分では言うけど、ローリーに言わせると何でも縫わずにはいられない洋裁狂い。
屋敷のカーテンもテーブルクロスも、ミレイユの手にかかりどんどんグレードアップしているらしいのだ。
そんなローリーも王都で唯一三ツ星を戴くレストランの娘。
料理の腕は一級品、作るもの何でもおいしく変えてしまう天才料理人である。
食に対する飽くなき探求心により、珍しい食材を求めて旅に出て、辿り着いたのがこのエスカーダ領だ。
軍資金が底を尽き、町の料理屋で働いていた所を執事セルジュに声をかけられ、エスカーダ公爵邸に就職したという経緯がある。
「ああっ、なんてお可愛らしい!このミレイユ、ここ数年で一番の快楽を覚えておりますわー」
快楽って……何ですか?
惚けたようにこちらを見るミレイユから目を逸らすと、入り口扉で待ち構えたローリーと目があった。
「ルキア様!今日はこれをお召しくださいませ!」
ーーエスカーダ公爵邸滞在、三日目。
爽やかに目覚めた私に、笑顔のミレイユが差し出したのは、レースがふんだんにあしらわれた薄桃色のドレスである。
「あ、うん……」
私は苦笑いしながら、言われるまま、ドレスに腕を通す。
と、言うのも、ここに来てから一日に何度も着替えさせられ、その度に違うドレスが出てくるのを体験していたからだ。
ミレイユはもともと王都一の洋裁店の娘で、社交界の華、カトレア様に憧れてエスカーダ家のメイドに志願したのだという。
どんな生地からもあっという間にドレスを仕立てる天才……と自分では言うけど、ローリーに言わせると何でも縫わずにはいられない洋裁狂い。
屋敷のカーテンもテーブルクロスも、ミレイユの手にかかりどんどんグレードアップしているらしいのだ。
そんなローリーも王都で唯一三ツ星を戴くレストランの娘。
料理の腕は一級品、作るもの何でもおいしく変えてしまう天才料理人である。
食に対する飽くなき探求心により、珍しい食材を求めて旅に出て、辿り着いたのがこのエスカーダ領だ。
軍資金が底を尽き、町の料理屋で働いていた所を執事セルジュに声をかけられ、エスカーダ公爵邸に就職したという経緯がある。
「ああっ、なんてお可愛らしい!このミレイユ、ここ数年で一番の快楽を覚えておりますわー」
快楽って……何ですか?
惚けたようにこちらを見るミレイユから目を逸らすと、入り口扉で待ち構えたローリーと目があった。