廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
「私のことは、これからおばあ様と呼ぶように」
「へっ?」
予期せぬ言葉に間抜けな声が出た。
その声に、カトレア様は口を押さえ、ぷっと上品に吹き出した。
「やっと子供らしい声が聞けたわ。そう、もっとそういう声を出しなさい。母国が滅亡し、敵国へ連れて来られるなど、普通ではあり得ない体験よ。身構えるのも当然。だけど、エスカーダ家に入ったなら、もう何も心配要りませんからね」
……そんな心配をしたことは一度もない。
もともとフェルナンシアの王宮に安全な場所などなかった。
王妃とナリスの顔色を窺ってなければ、生きられない場所である。
びくびくしながら暮らす、というよりは諦めの方が近かった。
だから、国が滅んでもレグナントに来ても、冷静でいられたのだと思う。
……こんなの、どうってことない。
でも、なんで。
こうやって誰かに心配されるだけで、泣きたくなってしまうのだろう。
「カトレア様……ありがとうございます」
ぐずっ、と一言絞り出すと、カトレア様は、優しく微笑んだ。
「あらあら、早速間違っているわよ。カトレア様ではないでしょう?」
「へっ?」
予期せぬ言葉に間抜けな声が出た。
その声に、カトレア様は口を押さえ、ぷっと上品に吹き出した。
「やっと子供らしい声が聞けたわ。そう、もっとそういう声を出しなさい。母国が滅亡し、敵国へ連れて来られるなど、普通ではあり得ない体験よ。身構えるのも当然。だけど、エスカーダ家に入ったなら、もう何も心配要りませんからね」
……そんな心配をしたことは一度もない。
もともとフェルナンシアの王宮に安全な場所などなかった。
王妃とナリスの顔色を窺ってなければ、生きられない場所である。
びくびくしながら暮らす、というよりは諦めの方が近かった。
だから、国が滅んでもレグナントに来ても、冷静でいられたのだと思う。
……こんなの、どうってことない。
でも、なんで。
こうやって誰かに心配されるだけで、泣きたくなってしまうのだろう。
「カトレア様……ありがとうございます」
ぐずっ、と一言絞り出すと、カトレア様は、優しく微笑んだ。
「あらあら、早速間違っているわよ。カトレア様ではないでしょう?」