廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
5、診療所での出会い

翌朝、ミレイユに起こされて朝食の場に向かうと、ダリオンはすでに仕事に行ったあとだった。
朝一番早いローリーが、朝食の準備を始める前には起きていて、簡単に食べると出ていったらしい。
どうもおばあ様や私に会うのを避けている感がひしひしと……。
少し悲しい気持ちになったけど、おばあ様はどこ吹く風で、優雅に食後のお茶を飲んでいた。

「おはよう、ルキア。お昼前に診察に向かいますからね。準備をしておくように」

「私もご一緒していいのですか?」

「当たり前じゃない?イエーレン先生にあなたを紹介しておかなくてはなりませんからね」

「……あー、なるほど」

こちらはこちらで、また何かを画策しているようである。
互いに譲らぬ戦いは、静かに熱く進行中で、吹けば飛ぶような立場の私は、黙って見守るしかない。

「ミレイユ。今日の付き添いはあなたにお願いするわ」

おばあ様は何食わぬ顔で言った。

「はいっ!お任せを!では、カトレア様のドレスとルキア様のドレスをお揃いで……」

「お止めなさい……」

何か恐ろしいことを言いかけたミレイユを一蹴するおばあ様。
止めてくれてありがとう!と心底感謝しながら、私も急いで朝食を済ませた。
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