廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
そうして、日差しが真上に差し掛かった頃、迎えの馬車におばあ様と私とミレイユは乗り込んだ。
イエーレン先生の診療所は、行政区ロダンの最北にあり、王宮との直通の道も用意されている。
王族が急に病気になっても大丈夫なように、最短で行けるルートを作ってあるのだ。
商業区とも隣接しており、そちらの教会や孤児院、また療養所でも診察を行っているらしい。
王族・貴族の診察は父のトマス・イエーレンが、商業区の診察は息子のアルベルト・イエーレンが担当である……と、おばあ様が馬車の中で語ってくれた。
石畳の道をゆっくりと駆けて行く馬車は、やがて古めかしい造りの建物に到着した。
入り口の扉は大きく、右手の看板に「イエーレン診療所」と書いた看板がある。
馬車が到着すると、一人の男性が入り口から現れた。
「カトレア様!お久しぶりでございます!」
男性は馬車から降りるおばあ様に声をかけた。
これが、きっとイエーレン先生ね。
「……トマス、久しぶりだこと。突然、無理を言って悪いわね」
「とんでもございません!私はずっとこんな日が来ることを……あ、申し訳ございません。外でこのような……さぁ、中へお入り下さい」
イエーレン先生は、己の失態に顔を赤くした。
年はおばあ様よりもずっと若い。
けれど、明らかにカトレア・エスカーダに対する尊敬と憧れが垣間見えた。
イエーレン先生の診療所は、行政区ロダンの最北にあり、王宮との直通の道も用意されている。
王族が急に病気になっても大丈夫なように、最短で行けるルートを作ってあるのだ。
商業区とも隣接しており、そちらの教会や孤児院、また療養所でも診察を行っているらしい。
王族・貴族の診察は父のトマス・イエーレンが、商業区の診察は息子のアルベルト・イエーレンが担当である……と、おばあ様が馬車の中で語ってくれた。
石畳の道をゆっくりと駆けて行く馬車は、やがて古めかしい造りの建物に到着した。
入り口の扉は大きく、右手の看板に「イエーレン診療所」と書いた看板がある。
馬車が到着すると、一人の男性が入り口から現れた。
「カトレア様!お久しぶりでございます!」
男性は馬車から降りるおばあ様に声をかけた。
これが、きっとイエーレン先生ね。
「……トマス、久しぶりだこと。突然、無理を言って悪いわね」
「とんでもございません!私はずっとこんな日が来ることを……あ、申し訳ございません。外でこのような……さぁ、中へお入り下さい」
イエーレン先生は、己の失態に顔を赤くした。
年はおばあ様よりもずっと若い。
けれど、明らかにカトレア・エスカーダに対する尊敬と憧れが垣間見えた。