堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
「アンドリュー・グリフィン公爵として参加すればよろしいのではないかしら?」

 ドキっとアンディの心臓が跳ねた。と、同時に身体もピクリと反応してしまった。
 彼女はお見通しだったのか。

「私はただの町娘だけれど、あなたは立派な貴族様でしょ?」

「君にはかなわないな。だったら、私の女になるかい?」

 彼女に言い当てられたことによる動揺を隠すかのように、アンディはマリーの肩に手を回した。
 だが、マリーはその手をやんわりとどける。

「残念ながら、お断りよ。公爵様の女なんて、不便で仕方ないもの。それに、私は誰の女にもなるつもりはないわ」

「やっぱり、君のそういうところ、好きだなぁ」
 アンディはソファの背もたれに肩を開いて、限界まで寄りかかる。
「俺の女になれ」

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