堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
「リガウン団長、大変申し訳ないのだが妹を屋敷まで送っていただけないのだろうか」

「ダニエル殿は?」
 エレオノーラを送っていくことをジルベルトに頼んだということは、ダニエルは屋敷には戻らないということ。

「私はウェンディと共に、これを総帥に届け出る」
 これとは、フランシア家の壺に入った本物の気持ちよくなる薬。

「わかった」
 ジルベルトは頷いた。

 それを見て安心したダニエルは、壺を抱えて廃倉庫を出た。どうやら騎士団の馬車を残しておいたらしい。元々ダニエルは王宮の方へ戻るつもりだったのだろう。

 二人残される。エレオノーラは再びその場所に座り込んでしまった。本当に膝が崩れ、立っていることを継続することができなくなってしまったのだ。

「あの、リガウン団長」
 再びジルベルトを見上げるエレオノーラ。

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