堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
「どうした?」

「あの、終わったと思って安心しましたら、腰が抜けてしまいました。いや、あの、ホントに。今回の任務は毎回ヤバイって思っていたんですよね。その、グリフィン公爵とお会いする度に。バレたらどうしよう、みたいな感じでした」

 ジルベルトはエレオノーラの隣に腰をおろした。片膝を立て、それを抱えて座る。

「今日も、まさかグリフィン公爵がこちらの作戦にのってくれるとは思ってもいなくて。本当に一か八かみたいな感じでした」

 ジルベルトはそっとエレオノーラの背中に手を回した。その触れた手から彼の体温がじんわりと背中に伝わってくる。

「リガウン団長やウェンディも巻き込んでしまって、本当にごめんなさい」
 それはエレオノーラの心からの謝罪。他の人間を巻き込んでしまったのは、自分の力が足りないから。

「グリフィン公爵の件は、我々も把握していたが証拠を掴むことができなかった。今回こうやって拘束できて、あの薬物を押さえることができたのも、エレンのおかげだ」

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