堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
「お義母さま。私、結婚してから、ジル様とはまだ二回しかお会いしていないのです。これもおかしいと思いませんか? 結婚して一月以上経つのに、二回ですよ。旦那さまと二回しか会えてないんですよ。しかもそのうちの一回は職場でお会いしただけです。別居婚だとしても、会えなさすぎだと思いませんか? しかも私がこちらに来てからは一度も会えていないのです。やはり、ジル様は私と結婚したことを後悔されているのでしょうか」
うーん、と義母は頬杖をついた。
息子がこの娘にベタ惚れなのは、見ていれば誰だってわかる。むしろ見ている者が恥ずかしくなるくらいにあからさまだ。だから後悔している、ということはない。もしかしたら、エレオノーラと会えないことの方を後悔しているかもしれない。
「やはり、グリフィン公爵家の件よね」
義母が呟いた。
グリフィン公爵の事件。彼の行っていた悪事の数々。ずるずると芋づる式に明るみになっていくそれ。
しかも前王の弟の子、という立場なだけあって政界も大混乱だ。五つある公爵家、そのうちの一つの大失態。グリフィン公爵の立場は今、地に落ちている。いや、落ちているどころではない、地下に埋もれるくらいの勢いだ。
そのまま埋もれさせるのか、浮上させるべきか、というところから話が始まって非常にややこしくなっている。それは、この屋敷にいる彼女たちの耳にも届いてくる話題。
うーん、と義母は頬杖をついた。
息子がこの娘にベタ惚れなのは、見ていれば誰だってわかる。むしろ見ている者が恥ずかしくなるくらいにあからさまだ。だから後悔している、ということはない。もしかしたら、エレオノーラと会えないことの方を後悔しているかもしれない。
「やはり、グリフィン公爵家の件よね」
義母が呟いた。
グリフィン公爵の事件。彼の行っていた悪事の数々。ずるずると芋づる式に明るみになっていくそれ。
しかも前王の弟の子、という立場なだけあって政界も大混乱だ。五つある公爵家、そのうちの一つの大失態。グリフィン公爵の立場は今、地に落ちている。いや、落ちているどころではない、地下に埋もれるくらいの勢いだ。
そのまま埋もれさせるのか、浮上させるべきか、というところから話が始まって非常にややこしくなっている。それは、この屋敷にいる彼女たちの耳にも届いてくる話題。