堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます

13.パーティです

 視察の最終日はちょっとしたパーティが開かれる。招待客はこのバーデールの貴族が主。そこに、クラレンスも参加することになっていた。護衛の騎士が二人付き、ドミニクが通訳としてついたが、パーティであるためそれなりの恰好をさせられるらしい。

「めんどくさいなぁ」とドミニクが言っていたので「交代しましょうか?」とエレオノーラが提案したところ。
「そっちの方がめんどくさいから我慢する」と言われてしまった。

 そっちってどっち、とエレオノーラは思ったが、ドミニクもこれから起こることを知っているし、これから彼女が何をしなければならないのか、ということも知っている。だから、どちらがめんどくさいかを天秤にかけて言った言葉。

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