堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
 彼が相変わらずと評した格好は、ドミニクから好みではないと言われてしまったあの格好。

「ええ。さすがに、エレオノーラとして参加するわけにもいきませんし、だからといってセレナというわけにもいきませんので。第三の人物になってみました」
 ドレスの裾を持ち上げて、どうでしょう? と見せつけながら。
「ですが、ドムお兄さまからは大不評です。ジル様は、この恰好、いかがですか?」

 ジルベルトは中身がエレオノーラであればなんでもいい人なので、どうですかと言われても返答に困る。だが、やはり普段のエレオノーラの方が好きだというのが本音。本音をうまく隠しながら答えようとするジルベルト。

「そういった格好も似合うが、やはりそのままのエレンが好きだな」

「ですよね。ジル様ならそうおっしゃると思いました」
 うふふと、エレオノーラはジルベルトを見上げた。どうやらジルベルトの本音をエレオノーラはお見通しだったらしい。

 よくわからないけど、なんか心がほわほわするような気分に包まれた。

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