溺愛結婚は突然に〜ホテル王から注がれる、溢れるほどの愛〜
優吾さん自身はもちろん結婚しておらず、何年もずっと相手がいなくてご両親から恋人を連れてくることを期待されているんだとか。
普段は仕事が忙しくて、あまりこうやってゆっくりする時間も持てないらしく、この数日間はオフも兼ねているらしい。
そんな貴重な時間を私と一緒に過ごして良いのか聞くと、"むしろこのまま連れ去りたいくらいだ"と甘い言葉と共に手にキスをされたばかりだ。
"紅葉が俺のことを好きになってくれるなら、すぐにでも両親に紹介したいくらい"だとも。
最初は初対面で私のことを口説くから遊びなのではないかと疑っていた部分もあったものの、私が本当に嫌がることはしない。
デートの間さりげなく私の食べ物やお酒の好みを聞き出して、それが先ほど夕食で出てきた時には驚いた。
"紅葉に喜んでもらいたくて"
そんな言葉が嬉しかった。
社長に就任してからは各国を転々としつつ新しいホテルの建設には一から立ち会うのはもちろん、既存のホテルには自らが宿泊することで消費者の立場に立ちつつさらなる極上のサービスをお客様に届けられるように勤めているそう。
そう話す優吾さんはとても堂々と、キラキラとしていて。自分の仕事に誇りとプライドを持っているのがよくわかる。
あぁ、かっこいい。素敵な人だ。そう思った。