溺愛結婚は突然に〜ホテル王から注がれる、溢れるほどの愛〜



*****


翌日は筋肉痛に苦しみながらも中華街を楽しみ、たんまりとお土産を買って帰る。


週明けから再び仕事と式の打ち合わせで忙しい日々だったものの、段々と近付く自分の門出が楽しみではやる気持ちが抑えられない。


あっという間に季節は巡り、そして、待ちに待った日がやってくる。


私の二十五歳の誕生日。その日、私は優吾さんとの出会いの地、ラスベガスに新しくできたE.R LAS VEGASにいた。


優吾さんと出会った時にはすでに建設が始まっていたらしいこのホテル。完成予定がちょうど私の誕生日の一週間前だったこととチャペルが併設される予定だったことから、式の会場はすぐにここに決まった。


この結婚式と披露宴をプレオープンとし、さらには優吾さんの提案で少し早いものの来月迎える加賀美の創業百五十周年を祝うセレモニーも続けて行うことになった。


イベントごとはラスベガスで行いたいお祖父様と、自分のホテルを大々的に宣伝したい優吾さんの利害が一致したのだ。


式と披露宴の様子はホームページ上で使われるらしく、自ら広告塔となろうだなんて優吾さんらしい。

< 87 / 93 >

この作品をシェア

pagetop