オトメは温和に愛されたい
ソワソワとしながら逢地先生を見つめたら、「鶴見先生と霧島先生って身長差、そんなにないでしょう？」と私を見つめていらして。
確かに温和のほうが筋肉質で少しガッシリしている印象ではあるけれど、身長差で見ると、鶴見先生にほんの少し軍配が上がる程度でほとんど変わらない。
でもそれが……何？って思って、キョトンとした顔で逢地先生を見る。
逢地先生は私の視線を受けて、
「私が告白するとしたら……霧島先生から見て、どの角度が一番可愛く見えますか？ってお聞きしたんです。そうしたら霧島先生……」
そこまで言って、少し言いにくそうに私を見ていらして――。
私はなんだか嫌な予感がして、無意識に生唾を飲み込む。
『そうですね、このぐらいの角度が効果的だと思いますよ？』
そう言って、顔の角度までレクチャーしてあげたらしい。
温和は不必要に愚直なところがあるから、逢地先生のその問いかけに、至極真面目に答えただけだと思う。
思うけど……。
馬鹿なの！？
いくら聞かれたからって女性のあごに手を添えて、可愛く見える角度まで整えてあげるとか……あり得ないから！
本っ当っ、信じられないっ！
――そんな理由で、私以外の女性に気安く触らないでよ！
思わずそう思ってしまってから、私は自分の嫉妬深さにゾクッとした。
私、何を……。
あの時の温和はフリーだったんだから……何をしたって私に彼を咎める権利は……ない。
ないけど。
でも……そのせいで私、勘違いしちゃったんだから……。
その責任は、取って欲しい。
「鳥飼先生？」
いきなり黙り込んで下唇を噛み締めた私に、逢地先生が気遣わしげな声をかけていらっしゃる。
「ご、ごめんなさいっ。私、あのとき、温和が逢地先生にキスしようとしてるんだって思ってしまったんです」
混乱のあまり、思わず「温和」と下の名前で呼んでしまってから、あっ！って思う。
逢地先生は全てお見通しみたいにそれをスルーして優しく微笑んでいらっしゃると、
「私が短慮でした。鳥飼先生は鶴見先生のことをお好きなんだとずっと勘違いしていたので……霧島先生にそういうことを頼んだらアナタがどう思っていらっしゃるか、とか考えていませんでした」
そうおっしゃって、テーブルの上に載せていた私の手をそっと包み込んでいらした。
確かに温和のほうが筋肉質で少しガッシリしている印象ではあるけれど、身長差で見ると、鶴見先生にほんの少し軍配が上がる程度でほとんど変わらない。
でもそれが……何？って思って、キョトンとした顔で逢地先生を見る。
逢地先生は私の視線を受けて、
「私が告白するとしたら……霧島先生から見て、どの角度が一番可愛く見えますか？ってお聞きしたんです。そうしたら霧島先生……」
そこまで言って、少し言いにくそうに私を見ていらして――。
私はなんだか嫌な予感がして、無意識に生唾を飲み込む。
『そうですね、このぐらいの角度が効果的だと思いますよ？』
そう言って、顔の角度までレクチャーしてあげたらしい。
温和は不必要に愚直なところがあるから、逢地先生のその問いかけに、至極真面目に答えただけだと思う。
思うけど……。
馬鹿なの！？
いくら聞かれたからって女性のあごに手を添えて、可愛く見える角度まで整えてあげるとか……あり得ないから！
本っ当っ、信じられないっ！
――そんな理由で、私以外の女性に気安く触らないでよ！
思わずそう思ってしまってから、私は自分の嫉妬深さにゾクッとした。
私、何を……。
あの時の温和はフリーだったんだから……何をしたって私に彼を咎める権利は……ない。
ないけど。
でも……そのせいで私、勘違いしちゃったんだから……。
その責任は、取って欲しい。
「鳥飼先生？」
いきなり黙り込んで下唇を噛み締めた私に、逢地先生が気遣わしげな声をかけていらっしゃる。
「ご、ごめんなさいっ。私、あのとき、温和が逢地先生にキスしようとしてるんだって思ってしまったんです」
混乱のあまり、思わず「温和」と下の名前で呼んでしまってから、あっ！って思う。
逢地先生は全てお見通しみたいにそれをスルーして優しく微笑んでいらっしゃると、
「私が短慮でした。鳥飼先生は鶴見先生のことをお好きなんだとずっと勘違いしていたので……霧島先生にそういうことを頼んだらアナタがどう思っていらっしゃるか、とか考えていませんでした」
そうおっしゃって、テーブルの上に載せていた私の手をそっと包み込んでいらした。
