オトメは温和に愛されたい
「な、音芽(おとめ)。お前、喜多里(きたさと)に何言われたか知らねぇけど……あいつとあれこれあったの、高1ん時だろ?」

 そこでそっと私の唇を指先で辿りながら、
「俺、お前が奏芽(かなめ)にいじめられて俺に泣きついてきた時、お前のこと、俺の嫁にするって約束したよな? そん時に唇にチュッてしてたからな? お前はちっこ過ぎて覚えてねぇようだけど――俺は結構ドキドキした覚えがあるし、間違いじゃねぇから」

 言って、もう一度私にそっと口付けてくれる。

 あ、あの、温和(はるまさ)っ、今のって――本当?

「だからな、誰がなんと言おうが、()()()()()ファーストキスの相手だ」

 温和(はるまさ)がニヤッと笑ってそう言ってくれて、私は思わずポロリと涙を落とした。

 そう言われてみれば……記憶の彼方で唇に柔らかく触れる温かい感触を何となく覚えている。
 あれが、そうなの?

 ねぇ、温和(はるまさ)
 私が今、どんなに幸せか、あなたに分かりますか?


***


「音芽、そろそろ続き、いい?」

 温和(はるまさ)が私を抱きしめたまま、背中に手を這わせると、留められたままだったブラのホックを外した。

「あ……」
 それと同時にまろび出た胸が恥ずかしくて、思わず隠そうとしたらキスで動きを封じられる。
「ん、っ……」
 ちゅくちゅくっ、とお互いの唾液を混ぜ合わせるようにすり合わされる舌先に、遠のきかけていた情欲を刺激されるようで、私は温和(はるまさ)にギュッとしがみつく。

 温和(はるまさ)のキスにぼんやりしている間に、着せかけられたままだったブラウスと一緒にブラが肩から抜かれてベッド下に落とされて――。
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