オトメは温和に愛されたい

　そっと横たえられたシーツの冷んやりした感触が背中に直接伝わってきて、期せずして肌が薄らと粟立った。

「寒い？」

　温和(はるまさ)に聞かれて、ふるふると首を横に振ると、「もしそうだとしてもすぐ身体温(ぬく)もるから辛抱な？」とニヤリとされて。
　温和(はるまさ)のエッチな笑みに、私はにわかに恥ずかしくなる。

「あ、あのっ……」

　照れてしまって、用もないのに彼に呼びかけたら、温和(はるまさ)がまるでそれに応えるみたいに「スカート、脱がすから腰上げて？」って言ってきて。

　ホックが外されてファスナーが下される小さな音に、私は戸惑ってしまう。
　だって私、ショーツ……履いてないっ。

「あ、あのね温和(はるまさ)っ。わ、私、これ脱いだら……」

　眉根を寄せて温和(はるまさ)を戸惑いに揺れる瞳で見つめたら、

「ん。素っ裸になっちまうな？　なぁ、音芽(おとめ)、俺に見せてくれるだろ？　お前の……裸」

　熱に浮かされた熱い吐息を耳朶に吹き込まれて返り討ちにされてしまう。

「あ、あのっ、でもっ」

　それでも難色を示したら、そのまま耳を濡れた舌先で責め立てられた。

「ひゃ、あっ」

　ゾクッとして思わず腰が跳ねたら、その瞬間を待っていたみたいにスカートが腰から抜き取られてしまう。

「――あっ、ダメっ」

　思わず言ってスカートに手を伸ばしたら、温和(はるまさ)が「さっきの指示、もう忘れたの？」って問いかけてきて。

　私はグッと言葉に詰まる。