オトメは温和に愛されたい
「ダメとイヤはなし、だったよな? ――手はどうするんだっけ?」

「か、顔の両サイドに置いて……じっと、…です……」

 胸も秘部も隠したいのに……私は温和(はるまさ)の声に導かれるようにまたしても降参のポーズ。

「いい子」

 言われて、あごをすくい上げられてから、ご褒美のキス。

 せめてもの抵抗に足を軽く重ねるようにして秘所を隠していたら、少し高くなっている側の太ももをそろりと撫でられた。

「はぁっ、んっ……」

 その触れ方がゾクゾクするほど心地よくて……思わず声が漏れてしまう。

 温和(はるまさ)はそんな私を満足そうに見下ろしながら、スキンの袋を咥えた。
 それを、私に見せつけるように上手に口と片手で開封すると、手にした薄桃色の皮膜を慣れた手つきで自身にかぶせる。

 膝頭(ひざがしら)に手を付いて私の両足を軽く割ると、濡れそぼった入り口の感触を指先で撫で上げるようにして確認してから、「いいか?」と私を熱っぽく見つめてきて。

 私が伏せ目がちに小さくうなずいたら、谷間をこじ開けるみたいに、固くなったものを当てがうの。

 そうして「音芽(おとめ)っ……」って熱に浮かされたように切なげに私の名前を呼んできて。

「はる、まさ……っ」

 気が付いたら、“じっと”の言いつけを破って、私は懸命に彼に両手を伸ばしていた。

「お願い、ギュってして?」

 一生懸命おねだりしたら、温和(はるまさ)が覆いかぶさるように身体を密着させて私を抱きしめてくれて。

 それと同時に隘路(あいろ)をこじ開けるように温和(はるまさ)の熱が私の中心を奥へ奥へと穿(うが)ってくる。
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