オトメは温和に愛されたい
鳥飼(とりかい)先生のサポートは学年主任の()()しますんで、大丈夫です。鶴見(つるみ)先生には、俺が鳥飼先生についてる間、もしかしたらうちのクラスと彼女のクラスの児童らのことをお願いすることがあるかもしれないんで、そっち方面でのサポートをしていただけたら助かります」

 にっこり笑って温和(はるまさ)が鶴見先生にそんなことを言う。

 ちょっ、温和(はるまさ)っ。私、いくらなんでも児童らを放ったらかしにして鶴見先生のお手をわずらわせるようなSOSの出し方はしないつもりよ?
 それは温和(はるまさ)も、でしょう!?

 そ、それに! どちらの先生を頼るかくらい、私に決定権を残しておいてくれても!

 なんだか心がざわざわして、思わず温和(はるまさ)をそわそわと見つめたら、至極不機嫌そうな顔で睨まれてしまった。

 え? なんで? 私、何かした? 意味分かんないっ!


***


 そんな最中。

「おはようございます。皆さん何話していらっしゃるんです? 私も仲間に入れてくださいな」

 ほわっとした物言いをしながら、鶴見先生の隣――温和(はるまさ)の正面――の席に逢地(おおち)撫子(なでしこ)先生が着席なさる。

「おはようございます」

 各々に挨拶を交わしながら、逢地(おおち)先生の動きを目で追う。
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