逆プロポーズした恋の顛末
「律は、俺が親の許しがなければ結婚もできないような男だと思ってるのか?」
「そういうわけじゃないわ。でも尽は、いますぐではないかもしれないけれど、立見総合病院を継ぐんでしょ? わたしに、院長夫人が務まるとは思えなくて……」
「いまは、病院の――仕事の話をしているんじゃない」
尽は、あれこれわたしが言い訳を並べているだけだと思ったのかもしれない。
助手席から身を乗り出すようにして訴えた。
「俺が医者で、立見の人間なのは事実だ。それと同じように、俺は惚れた女と結婚したいと思うただの男だし、自分の子どもにとって尊敬できる人間でいたいと思う、普通の親なんだよ」
「…………」
「俺は……律と幸生に、この先もずっと必要とされたい。医者としてではなく、父親として……夫として」