逆プロポーズした恋の顛末


(尽に、焦って幸生との距離を縮めようとしない方がいい、なんて偉そうなこと言ったけれど……一番焦っていたのは、わたしだわ)


いま見えている問題を片付ければそれで終わり、ではないのだ。
生きている限り、いろんなことが起きるし、いろんな問題が出てくるだろう。
何が起きるかなんて、誰にもわからない。
その時、その時で、ひとつずつ、クリアしていくしかない。

わたしと、尽と、幸生の三人で――。


わたしたち三人ともが、一緒にいたいと思っている。



器用とは言えない、わたしたち家族の始まりは、そんなシンプルな気持ちで十分なのかもしれない。
そう思ったら、ふっと肩の力が抜けた。


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