逆プロポーズした恋の顛末


「ママ、お出かけする準備しよ!」


遅めの朝ごはんを食べ、身支度を整えた幸生は、さっそくお出かけの準備とばかりにリュックサックを取り出して来て、ポケットティッシュやハンカチなどを詰めはじめる。


「ママ、ぼくに会いたいひとって、絵本好きかなぁ?」

「んー、どうかな。でも、幸生が好きな絵本なんだって見せてあげてもいいんじゃない?」


大人同士の話になって、幸生が退屈するパターンもあり得るし、何か夢中になれるものがあった方がいいだろう。

しかし、幸生は絵本だけでなく、図鑑(といっても、ポケット図鑑)にクレヨン、スケッチブックまで持って来た。


「えっと……幸生、そんなにいっぱい詰めると重くない?」

「おさかなさん、いっぱい描いて、パパにあげるんだ!」

「おうちに帰って来てからでもいいんじゃない?」

「おうちに帰って来てからも、描くもん!」

「そうだとしてもね……」


まるで聞く耳を持たない幸生を説得する間もなく、インターフォンが鳴った。


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