逆プロポーズした恋の顛末
幸生の部屋のドアを開け、薄暗い中を覗けば、羽毛布団からはみ出している足と腕、平和そうな寝顔が見えた。
日に焼けてはいるものの、その顔はわたしが出会った頃の尽にそっくりだ。
ごくり、と唾を飲み込む千陽ちゃんの背中をそっと押してやる。
そろりそろりと足音を忍ばせてベッドに近づいた彼女が、そっと幸生を揺さぶった。
「コウくん?……ね、コウくん、起きて」
二度目で、幸生が目を開けた。
「ん……?」
「おかえり、コウくん」
「……千陽?」
まだ半分寝ぼけている幸生は、目を擦り、手を伸ばして落ちかかる千陽ちゃんの髪に触れる。
猫がじゃれるように、彼女の髪を軽く引っ張り、指に巻き付け、と遊ぶ幸生に、千陽ちゃんは顔を真っ赤にして必死に告げた。
「ねえ、コウくん! け、結婚してっ!」
びっくりしたように目を見開いた幸生は、やけにあっさり承諾した。
「いいよ」