逆プロポーズした恋の顛末
「そうかもね」
わたしが肯定すると、尽はピクリと身体を震わせた。
「あの頃は、尽よりもわたしの方が稼いでいたし? プライドだけは一人前のお子さまの尽とはちがって、酸いも甘いも噛み分けた大人の女だし? ひとりで生きていけると思っていたし? でもね……わたしが幸生を産もうと思ったのは、」
自信を失くして落ち込む、らしくもない尽は、見たくなかった。
だから、あの頃、言葉では伝えていなかった想いを連ねてみせた。
「生意気で。口が悪くて。半人前どころかヒヨッ子以前のタマゴで。でも、クールを装っても、結局クールになりきれなくて、思いやりがあって。親身になって相手のことを考えて。嘘を吐けず、いつでもまっすぐ人と向き合おうとする。そういう人の子どもだから……。尊敬できて、しかも最高にイイ男の子どもだから、産みたいと思ったのよ」
「…………」