君のこと、釣ってもいいですか?
「知ってる?

詩は私を傷つけたの。」

きっと私の知らない話だ。

出来れば詩くんから聞きたかった。

「中学の頃付き合ってて

詩の家で遊んでる時だった。

詩が転んで火のついたコンロに

倒れそうになって

咄嗟に庇ったの。

それのせいでほら、

こんな傷ができちゃった。」

かおりさんは腕を見せてきた。

腕には火傷の痕がある。
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