SWEETHOLIC《2》~社長と秘書の恋の始まりは社長室から~(完)
「早波さん…航と二人で話がしたい…」
「分かりました…」

私は廊下へと出て、親子二人っきりにする。
日本とアメリカ。
離れ離れに暮らしていた親子。
積もる話もあるだろう。

私は渡り廊下の窓から見える中庭のイチョウの木々を眺めて小一時間ほど時間を潰した。
私のスマートフォンに社長から連絡が入った。

私が戻ると航さんが気難しい顔で私をジッと見ていた。

「君も社の事情は知ってるだろ?早波さん」

「え、あ…」

「航とも話をした・・・航に社長の椅子を譲ろうと思う…」

「社長は退任されるんですか?」

「俺は会長職に就く。そこで、航の秘書を君に任せたい…早波さん」

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