SWEETHOLIC《2》~社長と秘書の恋の始まりは社長室から~(完)
社長室に戻ると、藤堂航社長が会議から戻り、プレジデントデスクのチェアに腰を下ろしてノートパソコンを見ていた。

「お早いお帰りですね…社長」

「あぁ…予定よりも会議が十分前に終わった…君は何処に行っていたんだ?早波さん」

「野上さんに用事がありまして…席を外していました。社長の会議中は何も変わったコトはありませんでした」
社長が問いかける前に私の方から先に伝える。
「そっ」

素っ気なく返事したと思えば、「コーヒー淹れて」と言い放った。

「承知しました…社長」

幼い時、痴女に悪戯され、女性が苦手になったと言う過去を持つ社長。

女性のあしらい方は冷たかった。

私は彼に命じられるまま、給湯室に行って、彼のマイカップにコーヒーを注いだ。

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