キミは掴めない。


「じゃ。そんな感じでよろしく頼むな」

「はい」


清瀬くんと2人で職員室から出たあとで、ジーッと横から視線を感じた。


「な、なんでしょう……」


ガン見してくる清瀬くん。

その理由は何となく想像できるからこそ、何だか目を見られなかった。


「自分でわかってんじゃねぇの?美瑚ちゃん」

「う……」


ほら、やっぱり。


「全然諦められてないじゃん」

その言葉には、無言で返す。



初恋を諦める。


長期戦になると清瀬くんには最初に宣言してはいたけど、それにしてもまだダメダメすぎる。


だって、やっぱり顔を見たらまだ好きだと思ってしまう。


カッコいいな、って。

笑いかけてくれないかな、って。


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