僕は、空の上から君を見守る
ルーホーは思わず大きな声で呼び止める。
「無事で良かった!」

「??!」
それに気付いたブルーだが
何で呼ばれたか見当もつかない。
それもそのはず。
ルーホーとブルーはこの時点で初対面。
ルーホーが一方的にブルーの事を知っているだけで
ブルーからすると全く見たこともない人。

「おう!ブルーと知り合いだったか!!こりゃあいい!」
「ガハハハハ!おい!ブルー!こっちに来い。」
上機嫌になるビスル。
しかしブルーはわけが分からない。
その時、ルーホーの脳裏がウォルスの言葉を
思い出す。
『ブルーと会う時は最初が肝心だぞ!』

「いや、違うんです、、何ていうか、、、」
そうだ!最初だ!
ルーホーは慌てて何とか誤魔化す理由を考える。

「あっ!ほら!ブルーさん。チューリップ育ててるでしょ!?有名なんですよ」
「僕違う街に住んでるんですけどね、あの街のチューリップ畑にはブルーっていうカワイイ子がいるって、、、。」

カワイイという言葉に少しブルーが頬を赤らめる。
「!!」
それに気付いたルーホー。
ヤバイ!変な事言っちゃったか?!と、訂正を試みる。
「いや、カワイイというか!そう言う意味ではなく、、、いやカワイイんですが、、、」
どんどんどツボにハマり
全く自分が言ってる事が分からなくなってきた。

「ガハハハハ!ブルーが可愛いか!俺からブルーを取るのは厳しいぞ〜!!」
ノッてきたビスルがルーホーと肩を組み、
こめかみをグリグリしてくる。
「いや、、、取るなんて、そんな、、、」
そんな二人の絡みを見てさらに恥ずかしくなった
ブルーは顔を真っ赤にして
両の掌で顔を覆い隠す。

その顔をチラッとビスルの腕の隙間から
見つめるルーホー。
『ホントにいたんだ。』
『すぐそばにいるんだ。』
『花が好きな大人しい子だったんだね』
ルーホーも嬉しくなり、
フフッと笑みがこぼれ
顔を赤らめた。



「おい!ルーホー。川の氾濫を止めてくれたお前を街で歓迎したい!」
ルーホーを気に入ったビスルは街までルーホーを
連れて行くと決めていた。
「とは言っても、まだ水でびしょ濡れだからよ!
大した歓迎は出来ないかもしれんが!」

ルーホーはその言葉で思い出す。
そうだ!まだ終わっていない。
街は川の流れで水没。
ブルーのチューリップ畑も、、。
それを何とかしなくては
街は元には戻らない。
「是非!連れて行って下さい!!」

そして、目の当たりにする事になる。
残酷な現実を。
< 18 / 31 >

この作品をシェア

pagetop