いきなりセンセーに迫られて。
入ってみると、すでに桜帝高校の人たちや同じ学校の子がいる。
「音羽ちゃん、遅かったね〜!」
メイクに気合いを入れすぎた。
空いてるところに座ると隣は超絶イケメンの人。
細身でつぶらな目で鼻筋が細く整っていて、唇はぷっくりしている。
私のタイプの顔だ…♡
「なんか飲む?」
「あ、えっと、オレンジジュース」
「はいこれ」
「ありがとう……」
いきなり話しかけられて、ドギマギしてしまった。
「俺、芦田拓哉(あしだ たくや)そっちは?」
「流川音羽です…。」
「タメでいいよ」
「あ、うん………」
それで会話が途切れてしまってオレンジジュースを飲んでは周りをチラッと見る。
みんな男の子と話してる。
それに席もぎゅうぎゅうで移動はできそうにないし、拓哉くんに話しかけようにもポテトを食べてはスマホをいじるの繰り返し。
話さないままなんの進展もないまま終わるのは嫌だからなんか話そう。
「拓哉くんはさ、他の子と話したりしないの?」
「うーん、音羽ちゃんでいいや」
え、なにその言葉。
私だけでいいってことは……期待しちゃうよ?
「ほんとに私でいいの?」
「うん、でも音羽ちゃんは俺より他の奴らと話した方がいいかもよ」
「え、なんで?」
「俺、ただの埋め合わせできただけだから、付き合うとかはしないから、てかあんま女子好きじゃないし」
なにそれ。
期待した私がバカじゃん。
女子嫌いなら埋め合わせでも来ないでよ!
私は彼氏を募集しに気合い入れてここに来たのに私の頑張りは無駄じゃん。
「もう帰る」
みんなは笑顔で男の子と話してて話せる雰囲気じゃなかったから抜けてきた。