政略婚~腹黒御曹司は孤独な婚約者を守りたい~
毒殺しても死にそうにないな。
白河の祖父は。

「井垣会長はあと三年生きられたら、いいほうだと言っていました」

ぴたりと祖父のフォークが止まった。

「……そうか」

祖父と井垣会長は仲が悪いと思っていたが、人生も終わりになってくると、違うようだ。
お互いに気に掛けているところを見ると、本当に仲が悪かったわけじゃないのかもしれない。
理由があって、疎遠になっていた。
そういうことだろう。
食事も一通り終わると、デザートと食後の飲み物が出てくる。
そこで、ようやく祖父以外の家族が話し始めた。

「壱都。海外支店に行っても頑張れよ」

「勉強になるぞ。よかったな」

兄二人は俺にそう言ったが、海外支店に異動させたのは間違いなく、この二人だ。
俺を本社から追い出し、遠ざけることで社長の椅子を奪われないようにしている。
激励の言葉がわざとらしい。

「ありがとう、兄さん。頑張ってくるよ」

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