政略婚~腹黒御曹司は孤独な婚約者を守りたい~
文句を言ってやろうかと思ったが、留学の日程を手に入れてくれたのだから、今は黙っておこう。
仕事で正直、疲れていたが、楽しみが出来たおかげで体が軽くなった気がした。
ついでにメールも返信しておくか―――『次はもっと気楽な文章でかまいませんよ』と送った。
さすがにあれは他人行儀すぎだろう……

「壱都さん。朝食を終えたら午前は井垣グループの海外支店長と会うことになっています」

「ああ、そうだったな。昨日選んだワインを試飲できるようにしてくれ」

「はい」

ホテル内のレストランには話を通してあり、料理を用意してもらってある。
ワインに合う料理を。
井垣グループの海外支店長を夫妻で招き、俺は昨日選んだワインを出す。
それが今日の仕事だ。
スーツに乱れがないかチェックし、待っていると夫妻はやってきた。

「いやぁ、まさか井垣グループと白河財閥が手を結ぶなんてこと考えてもみなかったですよ」

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