天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
「あそこは特別な場所だからな。私の妻との思い出の場所だ」
「魔帝陛下、奥さんいたの?」
「ああ。いるとも」
「私、見たことない。どんな人?綺麗?」
「とても美しい容姿だ。それに途轍もなく強い。天帝の月影も私も敵わないような女子だぞ!」
「ええ!?ほんとう?天帝陛下も魔帝陛下も勝てないの?」
「そうだとも」
わかりやすく目を丸くする黒豹に吹き出す。
「会いたい!!凛、陛下の奥さんに会いたい!!!」
「そのうちな」
ガシガシと凛を撫でると、香林の凛を探す声が聞こえた。
「あ!母上だ!陛下、私行くね!」
「気をつけるんだぞ」
腕から降りて走る黒豹を紅蓮は見送り、虹彩樹の庭に向かう。
庭は相変わらず虹彩の花が美しく咲き乱れている。