黒歴史な天才外科医と結婚なんて困ります!なのに、拒否権ナシで溺愛不可避!?
「……それにしても、夏目さんもすっごい睨まれてたよ。女性陣に」
そう言って、栗山先生は続ける。「猪沢先生は、周りのやっかみを生むかもなんて考えないのかな。大学構内ではうまく立ち回ったほうが夏目さんは安全なのにね……」
少し怒ったように低い声の栗山先生。
いつも穏やかで優しい栗山先生の雰囲気とも全然違って私はやけに焦る。
「あ、わ、私は大丈夫ですよ?」
「まぁとにかく、何かあれば僕になんでも言ってね?」
「あ……ありがとうございます」
私が頭を下げると、絶対だよ、と栗山先生は微笑んだ。