黒歴史な天才外科医と結婚なんて困ります!なのに、拒否権ナシで溺愛不可避!?

「猪沢くん、恋人には案外優しいのねぇ」
「いや、ちがって! ふぐっ!」

 否定し始めた私の口を修はふさぐ。

「あはは、照れちゃって。かわいいでしょう、俺の婚約者は」
「かわいいのはもちろんかわいいわよぉ。私だってお気に入りだし。それにしても全然知らなかったわ! くるみちゃん、恋愛しないって言ってたから。そりゃこんなイケメンの婚約者がいれば恋愛なんてしないわよね!」

「ひぃぐぅっ! ……ふぅぐんーーーーーー!」

 違うと何度も叫んでも、口はふさがれたままで変な声しか出やしない。
 なのに、修と鈴鹿先生は勝手に話を進める。

「あはは、そうなんです。くるみは実は恥ずかしがり屋なんで」

(勝手に人を恥ずかしがり屋にすんなぁぁああああーーー!)

< 68 / 388 >

この作品をシェア

pagetop