僕惚れ①『つべこべ言わずに僕に惚れろよ』
「じかに触るね」

 ブラウスのボタンに手をかけても、彼女は逃げようとはしなかった。

 視線は合わせようとはしてくれないけれど、嫌がっているわけではなさそうで……その証拠に理人の手を押しのけようとする素振りも見せない。

 全てのボタンをはずし終えて透けるような肌をはだけさせると、視線を合わせないままの彼女から、消え入りそうな声で「理人も……」と声がした。

 自分だけ裸になるのはフェアじゃないと言いたいのだろう。

 理人は、わざと葵咲を見下ろしながら、上に着ていたものを脱ぎ捨てた。

 そっぽを向いてはいるけれど、彼女がおずおずと自分の様子を(うかが)っているのは知っていた。

 自分は男だから上半身裸になることは何ら抵抗はない。それでも葵咲に見られていると思うと、背中をゾクゾクとした快感が駆け上がってきた。

 理人は着やせするほうだから、脱ぐと案外逞しい体躯で、そのギャップに戸惑ったのか、葵咲が赤面する。
 そのさまが凄く可愛く思えて、理人は彼女の頬に口付けを落とした。

 葵咲の反応の何もかもが、理人を高揚させる。

 口づけを頬から耳、そして首筋へと移動させていきながら、手は彼女の胸を包みこむ。

 ――ブラが、邪魔だ。
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