僕惚れ①『つべこべ言わずに僕に惚れろよ』
「眼鏡、ないほうが好き?」
 聞くと、ふるふると首を横に振りながら、「どっちも、理人(りひと)だから……」とか可愛すぎるだろ。 

 それにしても。

 やたらと僕の眼鏡姿を意識してしまうのは、何か理由があるんだろうか。いくらなんでもこれはちょっとおかしい。

「ね、葵咲(きさき)。もしかして……眼鏡かけてる僕に何かトラウマがあったりする?」

 僕に覚えはないけれど、もしかしたら知らないうちに葵咲ちゃんに何かしていたのかも。

 そう思ったら、思わず聞いてみたくなった。正直、眼鏡をかけていないときの僕――要するに常態の僕――のほうが、大概彼女に酷いことをしてきた自覚があるんだけど。

「トラウマ、とは違うと思う……」

 やはり僕が覚えていないだけで、何かあるらしい。
 彼女がぽつんと告げたセリフに、僕はそう確信した。
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