僕惚れ①『つべこべ言わずに僕に惚れろよ』
「大丈夫だよ。そのうち消えるみたいだし」
額に触れる葵咲ちゃんの手を両手でそっと包み込むと、僕はなるべく軽い調子で言葉を続ける。
「葵咲が怪我をしなかった代価がこれなんだとしたら、僕にとってこの傷は勲章だ。――それに、こうすれば……」
いい加減、葵咲ちゃんの表情が見えないのがしんどい。辛そうな顔じゃないといいな。そう願いながら、僕は左手で葵咲ちゃんの手を握ったまま、右手で手元に置いてある眼鏡を手にとった。
それをもう一度かけ直しながら
「ほら、傷なんて気にならないくらい、いい男だろ?」
眼鏡のまま、彼女の顔を見据えて笑ってみせる。
途端真っ赤な顔をして葵咲ちゃんが僕から身を引こうとした。でも、僕はそれを許さなかった。依然彼女の手を握ったまま。
「葵咲、僕を見ろ」
今までは彼女が俯くことや目線を合わせないことを容認してきたけれど、今回だけはそれを許してやらない。
「視線も逸らすな」
顔を背けられないなら、と視線を逃がそうとした彼女が、僕の言葉に一瞬怯えたような顔をした。でも、すぐに観念したように僕の指示に従って、おずおずと僕のほうを見る。
頬を朱に染めて、ともすると涙をこぼしてしまいそうに潤んだ瞳で僕を見つめる葵咲ちゃんは、艶めいていて本当に綺麗だ。
額に触れる葵咲ちゃんの手を両手でそっと包み込むと、僕はなるべく軽い調子で言葉を続ける。
「葵咲が怪我をしなかった代価がこれなんだとしたら、僕にとってこの傷は勲章だ。――それに、こうすれば……」
いい加減、葵咲ちゃんの表情が見えないのがしんどい。辛そうな顔じゃないといいな。そう願いながら、僕は左手で葵咲ちゃんの手を握ったまま、右手で手元に置いてある眼鏡を手にとった。
それをもう一度かけ直しながら
「ほら、傷なんて気にならないくらい、いい男だろ?」
眼鏡のまま、彼女の顔を見据えて笑ってみせる。
途端真っ赤な顔をして葵咲ちゃんが僕から身を引こうとした。でも、僕はそれを許さなかった。依然彼女の手を握ったまま。
「葵咲、僕を見ろ」
今までは彼女が俯くことや目線を合わせないことを容認してきたけれど、今回だけはそれを許してやらない。
「視線も逸らすな」
顔を背けられないなら、と視線を逃がそうとした彼女が、僕の言葉に一瞬怯えたような顔をした。でも、すぐに観念したように僕の指示に従って、おずおずと僕のほうを見る。
頬を朱に染めて、ともすると涙をこぼしてしまいそうに潤んだ瞳で僕を見つめる葵咲ちゃんは、艶めいていて本当に綺麗だ。