蒼い炎
客観視
倒れ込んできた少女を片手で受け止めた男は、じっと少女を見下ろす。
真冬だというのにたった1枚、ノースリーブの薄いワンピースを着た少女。自分と同じ、赤い目の少女。
どうするべきか、男は悩み少女を抱いたまま思案する。
「テオファニス様、いかがされましたか」
音もなく背後に立ったのは、長年彼に仕える従者。
「キリル、同胞の子が人の世へ迷い込んだようだ」
「…左様ですか」
少しばかり困惑した返事。このまま捨て置くことは出来ない。
このような幼子、彼らに見つかれば一瞬で灰になる。
男は自身のローブの中に少女を抱き込む。
「テオファニス様…」
「親を見つけてやるだけだ。心配していることだろう」
「…仰せのままに」
深く頭を下げる従者。男は腕に抱きこんだ少女に視線を落とすと、苦笑を浮かべ足取り軽く進む。
行く先は、彼らが治める地。人の世の隣。