蒼い炎

「テオファニス様、宴の席に献上する人は…」
「また足を運ぶ。それより、子の保護を優先させる」
「御意」
 従者が主を越し、前に出る。
彼らの向かう先には、一頭立ての馬車。馬を操る場所に腰掛けるのは、無表情の女。
 従者が馬車の扉を開き、主が乗り込むのを待つ。そして、少女を抱く男が馬車に乗り込むと、従者が一礼し、乗り込む。男が腰かけたのを従者が確認した直後、馬車が動き始める。
抱きなおした少女に視線を落とした男の目が赤く疼く。

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