蒼い炎
「てお…」
「ファナ、泣くなら、自分の足で執務室まで来い。リリスの手を煩わせるな」
起きている時間が大分伸びた。そろそろ屋敷の中を覚えさせた方がいいかもしれないな。歩き回れる上に、昨日のように屋敷で迷子になられては敵わん。
椅子に戻り、腰掛けるとファナは見慣れない部屋をきょろきょろ見回している。
「ファナ様、テオファニス様はお仕事の最中です。お邪魔は極力しないように」
キリルの厳しい声にファナはうなだれる。言われていることは分からないにせよ、怒られているのは分かるらしい。
それでも離れようとしないファナの頭を軽く撫で、膝の上から降ろす。
「あと少ししたら切り上げる。待っていろ」
足に抱き着いてきたファナをなだめ、書類に視線を向けた。