ディープ・アフェクション
なんだか、身体に心が追いつかない。
身体は着実に“女の子”から“女性”へと変わっていっているけれど、今の私の心はまだ、外を駆け回っていた幼い頃と大差ない。
正直 変に思われないように周りに合わせているだけで、恋愛だってあんまり興味無い。そんな事をするくらいなら、ゲームや漫画に時間を費やした方が有意義だとすら思っている。
けど、私のような思考回路の人のほうが少数派なんだって事はもう十分に分かっている。
こんな私でも、いずれきちんとした人と“お付き合い”をするようになるんだとしたら、今ここで先輩からの告白を二度も無下にする事もないのかもしれない。
「…私、付き合ってみようかな、先輩と」
「……」
「まだ“好き”とかよく分かんないけど、付き合ってみなきゃ分かんない事もあるだろうし、とりあえずお試しでもいいか、聞いてみよっかなぁ」
「……」
「…皇明はどう思う?」
ちらり、隣の皇明を見上げる。
いつの間にか身長には、ぐんと差をつけられた。私の頭ふたつ分ほど高い位置にある顔は、昔から感心するほどに綺麗だ。
もしここで皇明が“そういうのはやめろ”と止めたら、私は“分かった”と頷いたと思う。
皇明は私なんかよりもずっとずっと、頭が良くて賢いから。
ジッと見つめている私の視線に気づいていないのか、皇明は真っ直ぐ前を見据えたまま、薄く口を開く。
「お前がいいなら、それでいいんじゃねえの」
皇明のその言葉に背中を押された私は、先輩の告白を受ける事にした。