ディープ・アフェクション




後日、“話したい事がある”と中尾先輩を呼び出した。


世間話もほどほどにさっそく本題に入り、お試しで付き合ってみるという事でもいいかと聞くと先輩は「え、まじで?」と、とても驚いていた。


「不束者ですがよろしくお願いします」と、まるで嫁にいくような台詞を吐き出した私に「絶対断られると思ってたから、すっげえ嬉しい」と本当に嬉しそうに笑ってくれた。

その笑顔を見て、私のこの決断はきっと正しかったのだと思った。


なのに。


一息吐く暇もなく、私は次の問題にぶつかる事になる。






──週末。


お昼時を過ぎた頃、いつものように皇明の家を訪ねた。

私は小さな時からほとんどの週末を皇明の家で過ごしていた。もうそれは私にとって、毎日三食のご飯を食べるのと同じくらい当たり前だった。


なんで、とか。どうして、とか。
そんな疑問すら湧かないほどには、習慣だった。





だから、


「…お前、何しに来たんだよ」


玄関のドアを開けてくれた皇明に、こんな言葉を投げかけられるだなんて、微塵も思っていなかったのだ。



「…え、何って……ゲーム?」

「……」

「まだあのゲーム、全クリしてないじゃん?」

「……」


きょとんと目を丸くする私をじとりとした目でたっぷりと見つめた皇明は、ハァッと溜め息を吐いてから「ちょっと待ってろ」と玄関のドアを閉めた。


そして大人しく待つこと数分。


再び玄関のドアを開けた皇明は大きな紙袋を手にしていた。そして私にそれを「ん」と差し出してくる。


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